研究課題/領域番号 |
17K19948
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
蓋 若エン 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 室長 (30759220)
|
研究分担者 |
田倉 智之 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60569937)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
キーワード | CHU9D / 健康効用尺度 / 質調整生存年 / 医療経済評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、その定量化評価を実現するために、子ども向けの健康効用評価尺度CHU9Dの日本語版を開発・適用し、多様な小児疾患の健康アウトカム評価と費用対効果分析に応用することであり、それを踏まえて、①CHU9D日本語版質問票の妥当性検討、②日本人の選択的嗜好に基づいたCHU9Dの健康効用値換算表の作成、③国内で広く使われている子どもQOL尺度PedsQLとのマッピング、④多様な小児疾患・障害への応用、の四つの内容を計画している。 初年度は、12-18歳の中学生・高校生を対象とした全国調査を準備した。当初の計画では、コンピュータ端末を利用した全国規模の調査を計画したが、強力な協力先を得て、全国の学校における無作為サンプリングによるアンケート調査を実施し、オンライン調査よりはるかに代表性と質が高いデータを収集することが可能となった。学校リストを利用して中学校・高校を無作為に抽出し、在籍する生徒に対してアンケート調査を実施し、サンプルサイズは約1200人にする予定である。 また、国内外の研究協力者の合意により、新たに日本語訳が完成されたもう一つの子ども向け健康効用評価ツールEQ-5D-Yとの比較も実施することにした。これによって、研究の質が高まり、研究内容もさらに充実になった。 初年度では、est-worst scalingによる離散選択法の質問票のデザイン、倫理審査、全国調査のための準備がすでに終わり、今後も予定通りに実施する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は計画通りに進んでおり、今年度末までに完成する見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、国立青少年教育振興機構と連携して全国の中学校・高校における調査を進めて、子ども向け健康効用評価ツールCHU9Dの開発とほかのQOLツールとのマッピングなどの研究成果は国内外の関連分野の方と共有する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究は当初オンライン調査を計画し、委託費、人件費などのそのための費用を計上したが、強力な協力先(国立青少年教育振興機構)を得て、より質の高い全国の学校におけるアンケート調査を実施することが可能になったため、予算計画の変更が生じた。平成30年度中に元々オンライン調査として計上した費用を全国の学校におけるアンケート調査に一部シフトする。また、EQ-5D-Yとの比較、世界疾病負担のdisease weightの考察など研究内容がより充実になり、そのための研究打合せと成果公表に向けて、あまりのある分を旅費、論文投稿料に充てる予定である。
|