本年度は、研究成果のまとめを行い、また、本研究の成果の一つである新しい行列式計算アルゴリズムに関して、計算機による実験等を行った。
JSTの数学に関する「システム・情報科学技術分野、数学と科学、工学の協働に関する連続セミナー」の一回目で招待講演(オンライン、1時間半)を行い、「数学の広がり」という講演題目の主テーマとして、本研究の背景や歴史、インパクトや独創性、そして進展について解説を行い、数学の行列式の概念から、本研究の内容であるGCT理論を通して計算理論やアルゴリズムに広がる研究発展について述べた。また、研究代表者が学術会議等で責任を持っている情報学や数学の教育振興に関して、本研究テーマがどのような効果があるかを紹介した。 論文に関しては、COVID19の影響もあり、国際会議への投稿は見送り、本年度に行った計算機実験も加えて数学の専門誌に投稿することにし、準備を行っている。
研究連携においては、東大駒場キャンパスにおける数学の表現論分野での共同研究者たちとの定期的なGCTセミナーや、昨年度見送った海外からの研究者招聘を計画していたが、COVID19のためいずれも対面での開催はできず、ドイツで開催された本テーマに関する研究者たちのセミナー講演のオンライン聴講等によって研究連携を行った。 共同研究者たちとの研究上の相談においては、主にメールやオンライン会議で実施した。
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