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2017 年度 実施状況報告書

深層学習によるモンテカルロ積分の高速化フレームワーク

研究課題

研究課題/領域番号 17K19958
研究機関東京大学

研究代表者

蜂須賀 恵也  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (00748650)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード深層学習 / モンテカルロ法
研究実績の概要

平成29年度は、モンテカルロ積分における重点的サンプリングに注目し、深層学習を用いて重点的サンプリングを行なう手法の論理的な枠組み、および数値実験を行なった。重点的サンプリングでは、与えられた分布に従ってサンプルを生成し、その確率密度を厳密に計算することが必要となる。この2つの処理を実行可能にするためには、従来は分布の形が解析的に分かっており、幾つかの制約を満たすような分布である必要があった。そのような分布は限られており、与えられた任意の関数に厳密に比例するような分布に従って、重点的サンプリング行なう事は難しかった。

そこで、与えられた関数の値は任意の位置で評価できるという、最小限の制約をおき、そのような値を元にして機械学習で分布を推定、さらにその結果を元に確率密度の評価とサンプルの生成を一括して行なえるような、機械学習・数値計算の理論的枠組みについて研究を行なった。結果として、既存の手法はこの問題設定を厳密に扱うことが難しいという事がわかり、その知見を元に、新たな深層学習の手法の理論を構築し、数値実験を行なっている。

例えば、未知の分布から得られたと考えられる特定の対象の画像群を元に、その分布に従うような新たな画像を生成するという応用において、Generative adversarial networkがよく使われる。これは、画像をサンプルと考えれば、未知の分布からサンプルの生成を行なえる手法であると言える。しかしながら、Generative adversarial networkは確率密度分布の推定に制限があり、モンテカルロ積分には使えない。また、学習に使うサンプルが既に未知の分布に従って生成されていると仮定しており、一般にモンテカルロ法ではその制約は満たさない。本研究で検討中の手法では、学習に使うサンプルの分布は任意であり、厳密かつ任意の点での確率密度の推定が可能であり、モンテカルロ積分に適した手法になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的である、「未知の関数や分布のモデル化を深層学習により行い」という点が達成できる見込みのある理論・手法が構築されつつあるため。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、コンピュータグラフィックスにおける応用について数値実験を重ね、2018年中にはACM SIGGRAPHに研究成果を投稿する。また、理論的な枠組みついては、機械学習・数値計算にフォーカスした学会に成果を投稿する。その際、既存手法との根幹的な違いがあるか慎重に検討し、その違いが小さいと思われる場合は、再度理論的枠組みを見直す。

次年度使用額が生じた理由

Postdocの雇用に関する手続きにより、29年度中に予定していた人件費を30年度に移行する必要があるため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] McGill University(Canada)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      McGill University

URL: 

公開日: 2019-03-07  

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