研究課題/領域番号 |
17K19960
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河村 彰星 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (20600117)
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研究分担者 |
小野 廣隆 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (00346826)
小林 佑輔 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40581591)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | スケジューリング / 被覆問題 / グラフ探索 / 遷移可能性 / ナッシュ均衡 / 計算幾何 |
研究実績の概要 |
本研究は、多くの者や資源を時間的・空間的にバランスよく配置したり万遍なく行き渡らせたりするための戦略や、それを行うことの困難さについて、理論的保証を念頭に、様々な状況設定に対して分析しようとするものである。本年度の主な論文発表等は以下の通り。 拡散競争ゲームはネットワーク上を複数の情報等が拡散する様子をゲームとしてモデル化したもので、各プレイヤーの目的は自らの持つ情報をネットワーク構造を介してできるだけ多くのノードに拡散することである。このゲームの挙動は対象とするネットワークの構造に依存し、2人ゲームであってもサイクル構造のためプレイヤーの行動が循環し純粋ナッシュ均衡が存在するとは限らない。本年度の研究ではサイクル構造が限定される強弦グラフであっても純粋ナッシュ均衡が存在しない例が存在すること、より制限された区間グラフなどでは必ず純粋ナッシュ均衡が存在することを示した。 通常の組合せ最適化問題では解を一つ求めることが目的であるが、実社会においては解を適切に変化させながら維持することが必要とされる場面が数多く存在する。この状況のモデル化として、組合せ最適化問題における解同士の遷移可能性の研究が近年盛んに行われている。本年度の研究では、マッチングの遷移可能性の判定や最短遷移長の計算について、アルゴリズムの設計および計算複雑度の解析を行った。 なお、当初は年度内に行う計画としていた研究討論会は、渡航制限等の状況により開催困難となったため、次年度に機会を見て行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初めの予想に比べて問題の条件により困難度が多様に変化することや、数論的な被覆問題とも関わりがあることが明らかになってきたため、当初の課題を更に精緻に追究すべき状況となった。これに加え、投稿した論文の査読に時間を要したことや、発表予定だった研究討論会が感染症の影響で中止になったことから、補助事業期間を延長し、引続き翌令和2年度に研究・成果発表を行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
引続き様々な被覆条件の問題について計算困難度の解析を進める。また平成31年度に行う計画で中止となった発表や研究討論会を令和2年度中に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初めの予想に比べて問題の条件により困難度が多様に変化することや、数論的な被覆問題とも関わりがあることが明らかになってきたため、当初の課題を更に精緻に追究すべき状況となった。これに加え、投稿した論文の査読に時間を要したことや、発表予定だった国際研究集会が感染症の影響で中止になったことから、補助事業期間を延長し、引続き翌令和2年度に研究・成果発表を行うことにした。
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