研究課題
本研究では共謀数の時間推移に着目し,名人の大局観メカニズムの解明を目指す.また,解明されたメカニズムに基づき,名人の思考を可視化するシステムを開発する.共謀数探索において,共謀数はミニマックス木探索におけるノード展開の順序を決定する指標として用いられる.探索の途中でミニマックス値は更新され続け,ミニマックス解が更新されなくなるまで探索が続けられる。これはミニマックス解が十分に安定している(つまり最善手である可能性が高い)ことを意味する.共謀数はミニマックス解の安定性を表す指標と言える.ただし,共謀数は一般にスカラー値ではなく,ある幅を持つ値として表される.有効な情報であるが,計算コストが高いため,強いソフトを開発するには不向きである.シングル共謀数という共謀数をスカラー値として用いるアイデアを考案・実装した.これによって,膨大な量の探索中でもシングル共謀数を効率よく求めることができる.アルファベータ探索アルゴリズムの枠組みの中でシングル共謀数を求める手法を考案した.象棋を題材として,シングル共謀数の時間推移を解析した結果,通常の局面評価関数による局面評価値の推移分析ではわからない,局面評価の長期的予測が可能となった.これらの成果を名人やアルファ碁などの強いAIの思考可視化に応用できる見込みである.評価関数の質が高まるか,末端局面まで探索が可能なとき,共謀数は証明数と等価になる.これまでの証明数に関する深い理解は共謀数の応用をさらに発展させるものとして期待される.本研究では,証明数の致命的欠点の一つとなっているシーソー効果を解決するための深層証明数探索アルゴリズムを考案し,いくつかの対象題材で実装しその有用性を検証した.その成果を今後さらに発展させることで,本研究の主目的を実現する上で大いに役立つと期待される.
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画通り順調に進んでいる.
当初の研究計画通り進めることで,当該研究の目的を達成できると考えている.
当該研究課題の継続研究を実施する.
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