ドローンの飛行網として,電力会社の送電網を使う提案がなされているが,送電線の近くではコンパスエラーが発生しやすく,ドローンの進行方向が不明になる問題が起きやすい.そこで,これまでに我々が構築してきた地形情報から飛行エリアを推定する手法を応用して,ドローンの機首の方向を推定する手法を構築した.実験により,角度は90度ごと4つの方向に分割し,かつ,30度ごとずらしたエリア分割を3つ作り,それらをマルチタスク学習するのが最も高性能であることがわかった.今後さらに実験を行い精度を評価する. ドローンが飛行中にバッテリー切れになりそうになった場合や,障害物などにより移動困難になった場合には,任意の地点に不時着する必要が生じる.この時,地面方向のカメラ映像だけでは,細い枝や電線などが認識できず接触事故を発生させるリスクがある.そこで,我々は超音波センサーを用いることにした.超音波は直進性が高いが,指向性にある程度の広がりがあることが特徴である.通常の超音波距離センサーは,最も早く反射してきた反射波を受け取った時間から,物体までの距離を算出するが,この方法では,一番近くにある物体までの距離しかわからない.我々は様々な物体から反射してきた反射波の強さを時系列的にみることで,地上の状態を全体的に把握する手法を構築した.実験機を作成して性能の評価を実施した.今後,ドローン実機に搭載して評価実験を行っていく.
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