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2017 年度 実施状況報告書

クロマルハナバチ実装型マルチコプターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K19978
研究機関大阪大学

研究代表者

清水 正宏  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (50447140)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワードクロマルハナバチ / マルチコプタ- / 飛翔筋活動電位
研究実績の概要

本研究は,クロマルハナバチから飛翔筋活動電位情報を取得し,昆虫実装型マルチコプターを構築することを目的とする.クロマルハナバチがマルチコプターを新たな身体として拡張(拡張ボディイメージ)して認識し,適応能力を発現する自立型飛行ロボットを実現する.クロマルハナバチが本来有する固有のパーソナルスペースに基づく障害物回避能力を,クロマルハナバチの生体と比較して大きいマルチコプター上に搭乗した状態で発揮できるかどうかを検証する.身体のイメージを拡張できるかどうかを生体-機械融合システムを採用することで明らかにする.対象昆虫をクロマルハナバチとする. 本研究によって,生体機械融合システムの実現に関わる工学的成果のみならず,昆虫の生態学的な,また生体力学的な理解を深めることができることも期待される.
平成29年度には,クロマルハナバチ飛翔における左右旋回の弁別に取り組んだ.固定された環境にクロマルハバチをテザリングし,飛翔筋活動電位から左右旋回飛翔を弁別した.これにより,クロマルハナバチがマルチコプターを「操縦するための意図情報」の抽出を試みた.飛翔筋活動電位の計測を行った.左右旋回時には左右の羽の運動にちがいがあることから,羽を動かす筋肉である飛翔筋の左右の活動電位の差を計測することにより,左右旋回運動の弁別を行った.事前に計測したハイスピードカメラによる,飛翔時のクロマルハナバチの羽ばたき計測の結果と矛盾の無い結果が得られ,飛翔筋活動電位の活用がクロマルハナバチの左右旋回飛翔の弁別に有用であることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度には,クロマルハナバチ飛翔における左右旋回の弁別に取り組んだ.飛翔筋活動電位の活用がクロマルハナバチの左右旋回飛翔の弁別に有用であることが明らかとなった.現在,クロマルハナバチの左右飛翔時の弁別に基づくマルチコプタ-の遠隔操作の準備を進めている.以上から,申請時に想定した進捗状況がおおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

平成30年度には,マルチコプターカメラの主観動画を利用したクロマルハナバチARシステムの開発を行なうことを計画している.左右旋回運動の弁別を行なうためには,クロマルハナバチに実際に運動をさせなければならない.この要請に対して,クロマルハナバチは左右のオプティカルフロー(左右方向に動く景色を利用した視覚入力)に応答し,左右の旋回飛翔を行なう.そこで,複雑で自然なオプティカルフロー(クロマルハナバチにAR(拡張現実)を体験させる環境を構築する)に対して旋回飛翔を行なうかを検証する.これを達成することで,クロマルハナバチをマルチコプターに実装することを目指す.

次年度使用額が生じた理由

理由を述べる.平成29年度には,飛翔筋活動電位の計測によるクロマルハナバチ飛翔における左右旋回の弁別に取り組んだ.当該年度においては,主に,実験環境構築のための消耗品を購入した.平成30年度にクロマルハナバチにAR(拡張現実)を体験させる環境を構築するために,次年度使用額が生じた.
使用計画を述べる.平成30年度には,マルチコプターカメラの主観動画を利用したクロマルハナバチARシステムの開発を行なうことを計画している.複雑で自然なオプティカルフロー(クロマルハナバチにAR(拡張現実)を体験させる環境を構築する)に対して旋回飛翔を行なうかを検証する.このため,今回生じた次年度使用額と,翌年度分として請求した助成金と合わせた額を使用する計画を立てている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マルハナバチ旋回時の飛翔筋活動電位に基づいた行動弁別2017

    • 著者名/発表者名
      山口美悠,清水正宏,安藤規泰,神崎亮平,細田耕
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2017

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公開日: 2018-12-17  

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