研究課題
挑戦的研究(萌芽)
分散計算論は,小さな計算(局所計算)を統合して全体を計算するための理論である.計算において,環境の変化(うごき)は本来回避して制御すべき対象であるが,本課題では,逆に「うごき」を分散計算に積極的に取り込むための理論研究に取り組んだ.自律分散ロボットやモジュールロボットの分散アルゴリズム設計で成果を得たほか,線分上の中点探索問題や動的グラフ上のランダムウォークの解析などの新しい研究領域を開拓する成果を得た.
理論計算機科学
爆発的な普及と発展を見せる人工知能,ドローンやKilobotsなどの群ロボット,IoTや安価センサーネットワークなど,大規模・自律分散計算の社会的需要は高まっている.また,分子計算,化学反応系,ゲーム理論など潜在的/長期的な応用も多い.現実の計算においては,環境,計算主体とも時々刻々と変化するが,このような変化する環境での計算理論は未成熟で,世界的にも関心の高い課題である.上述の社会的需要も踏まえ,本課題の取り組む基礎理論の展開は重要といえる.