研究課題/領域番号 |
17K19983
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 晃 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80165282)
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研究分担者 |
石田 繁巳 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (10724388)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | ITS(高度道路交通システム) / 音響センシング / サウンドマップ |
研究実績の概要 |
平成29年度は,片側1車線道路における車両検出として以下の4つのタスクを実行した. (1) 車両移動の連続性を利用した車両検出技術として,歩道上に設置したステレオマイクを用い,車両走行音が2台のマイクに到達した時間差を描いた「サウンドマップ」を用いた車両検出技術を開発した. (2) 車速を推定する技術として,サウンドマップ上に描かれたカーブに対してロバスト推定手法のRANSAC(Random Sample Consensus)を適用してカーブモデル式をフィッティングすることにより車速を推定しながら車両を検出する技術を開発した. (3) 申請時には想定していなかったが,(1)で示した車両検出システムでは消費電力が大きな課題となることが分かった.このため,省電力マイコンで動作可能な車両検出技術を新たに開発した. (4) 片側1車線道路において車両検出性能を評価し,F値0.83という精度で車両を検出できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究はこれまでに無い新しい車両検出センシング方式を開発するものであり,申請時には想定していなかった課題を見いだすに至っている.車両移動の連続性を考慮して「サウンドマップ」を用いた車両検出システムを新たに開発したが,サウンドマップの描画には多数の積和演算を行うFFT(高速フーリエ変換)を多用する必要があり,消費電力が問題となる.本システムは交通量が比較的少ない場所への設置が想定されるため,消費電力の削減は大きな課題である.このため,CPU,メモリが限られた超低消費電力マイコンを用いた簡易検出方式を新たに開発し,サウンドマップを用いる検出方式と組み合わせて低消費電力かつ高精度に車両を検出するウェイクアップ型の車両検出システムを開発している. 当初予定していた研究開発の一部を次年度に行うこととして振り替えたものの,省電力化を図るシステム構成に向けた検討及び研究開発を新たに行ったことを勘案すると,当初の計画以上に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に新たな課題を見いだすに至っているため,これらの解決に加えて計画の全ての研究開発を行うことは困難であると予想される.当初計画を遂行するためには初年度に見いだした課題の解決が必須であるため,新たな課題の解決を最優先させて取り組み,当初計画の以下2つの課題について取り組む. ・複数台の車両が存在する場合を考慮したサウンドマップ及び車両検出手法の改良 ・片側2車線以上の道路における車両検出性能評価
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)初年度の研究開発では当初予定していなかった新たな研究開発を着想して遂行した.この研究開発では,低価格の機器を用いることができたこと,申請者の保有している機器を利用できたことから当初予定よりも必要となった物品費が少なくなった. (使用計画)当初予定していなかった研究開発を行った結果,当初予定していたよりも多くの調査及び成果発表を行う予定である.このため,関連研究調査のための旅費・学会参加費,論文購入費用,成果発表に伴う旅費・学会参加費・論文掲載料などに利用する予定である.
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