TDS法を導入し,食事中の知覚および感性の時間変化を計測した.得られた感性のダイナミックデータを理解・活用するための有効な2手法を開発・適用した.1つは,ベクトル自己回帰モデルとGranger causalityの組み合わせである.これらの手法を用いて,ダイナミックな感性データの因果関係モデリングを実現した.もう1つは,ヒトに代表される多自由度冗長系で稀に用いられる主動作分析である.これを感性データに適用した結果,複雑で自由度の高いデータを,時系列情報の性質を失わずに統計的に意味のある数個のパラメータで表現できた.この手法はよく知られたパラメトリックな統計手法とも相性が良く,実用性が高い.
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