研究課題/領域番号 |
17K20007
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
陶山 史朗 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70457331)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | バーチャルリアリティ / ヒューマンインタフェース / 3D表示 / 遠距離観察 / DFD表示 / Non-overlapped DFD表示 / 両眼間隔 / Arc 3D表示 |
研究実績の概要 |
「遠距離3D表示を可能とする,両眼間隔の制限のない裸眼DFD表示技術の研究」は,1.Edge-based DFD表示方式と,2.Non-overlapped DFD表示方式により,両眼間隔の制限から脱却を試みることで,裸眼による遠距離3D表示の実現を目指すとともに,3.Arc 3D表示方式との融合による装置の大幅な薄型化により,実用的な遠距離3D表示を目指している. 1.Edge-based DFD表示における遠距離観察可能性に関して,本年度では,最初に評価系を構築し,次にこれを用いて連続的な奥行き知覚が得られる視域の決定要因の把握を試みた.まず,エッジ幅の大きさによって,視域が広がる可能性を評価し,頭部運動による視域拡大の可能性を明らかにした.次に,エッジ部分だけのぼかし量によって視域が拡大する可能性を評価し,ぼかしによる視域拡大の可能性も明らかにした.本年度に2つの要因を明らかにしたため,来年度は,他の要因を探るとともに,具体的な視域拡大の詳細な条件を探索していく. 2.Non-overlapped DFD表示における遠距離観察可能性に関して,本年度では,最初に評価系を構築し,次にこれを用いて奥行き融合の要件の把握を試みた.まず,光点同士のみで一つの連続的な奥行きに融合する可能性を評価し,光点数や光点距離などの概略要件を明らかにした.来年度は,他の要件についても探求するとともに,奥行き融合と視域拡大の具体的要件の把握を試みていく. 3.Arc 3D表示は,光点群を大きく飛び出させて提示可能で,DFD表示群との融合により,装置の大幅な薄型化を図れると考えられるため,本年度は,Edge-based DFD表示と融合できる可能性を明らかにした.来年度は,Non-overlapped DFD表示との融合に関して試みていく. 以上,本研究は,おおむね順調に進んでいる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示したように,1,2,3 の各研究項目において,進捗状況に多少の差はあるものの研究全体としては申請書に記載したものと同等の進捗状況となっている.
|
今後の研究の推進方策 |
現在,順調に研究が進んでいる状況であり,来年度以降も,おおむね申請書に記載したように進めていく予定である.Edge-based DFD表示における遠距離観察可能性に関しては,視域拡大の要件のさらなる把握を行うとともに,具体的な視域拡大の条件を探求していく.Non-overlapped DFD表示における遠距離観察可能性に関しては,奥行き融合の要件に関してさらなる探索を行うとともに,奥行き融合と視域拡大の具体的要件の把握を試みていく.Arc 3D表示との融合による装置の大幅な薄型化に関しては,DFD表示群とのさらなる融合の可能性を探索していく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) DFD表示群とArc 3D表示を用いて,遠距離観察可能な裸眼DFD表示方式の確立を目指している.「研究実績の概要」と「今後の研究の推進方策」で述べたように,次年度以降に,遠距離観察と視域拡大に対する具体的な方策の探求が必要となり,大きな山場を迎えることが予想されるため,今年度は必要最低限の物品の購入と旅費に限定したため,次年度使用額が生じている. (使用計画) 次年度以降は,遠距離観察/広視域の可能性を評価するために,大型表示装置の構築および視域確保とその評価のための構築部品,測定用部品,光学部品などと必要な測定装置などを購入する予定である.
|