研究課題/領域番号 |
17K20012
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
宮内 清子 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (40459649)
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研究分担者 |
藤本 薫 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (10310476)
阿部 貴行 横浜市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (10594856)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 人間情報学 / 生涯発達学 / 妊娠 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
妊娠期の睡眠の特徴として、ホルモンバランスの影響から睡眠のバランスが崩れやすいとされている。睡眠のバランスの崩れは、10か月の長い妊娠期間の中でも、妊娠初期、中期、後期においてそれぞれ生じるといわれているが、各期の睡眠バランスの崩れからくる特徴が異なっていることが分かってきた。 妊娠初期では、プロゲステロンの影響を受け日中の強い眠気が生じる。妊娠中期には比較的安定するが、妊娠後期では寝つき不良、中途覚醒が増え、睡眠の不満感が増えるといわれている。 さらに、睡眠を障害するような呼吸状態がある妊婦では、帝王切開や吸引分娩になる確率が高いという報告がある。周産期の睡眠呼吸障害に関するレビューでは、睡眠不良によって異常を引き起こす確率も高いことが報告されており、母体や胎児の安全性を脅かすことが分かってきた。しかし、妊婦の睡眠の実態は、自覚症状の調査にとどまっている。そこで、本研究では、妊婦の各期における睡眠の様相の実態を調査し、妊娠各期の睡眠の特徴を明らかにすることを目的に研究を実施する。 方法は、妊婦30名を対象とし、前向き縦断調査とする。妊娠初期から中期、後期にかけて各期において24時間7日程度、腕時計型の睡眠活動計(アクチグラフ)を装着し、睡眠の質を評価する。同時に主観的評価も実施し、客観的データとの比較を行い総合的に睡眠の評価をすることとする。主要評価は、アクチグラフによる睡眠効率、活動レベル、中途覚醒回数、中途覚醒時間、睡眠潜時、睡眠時間とする。副次的評価として、質問紙によるピッツバーグ睡眠尺度と健康関連QOL(SF-36)を用いる。 本年は、研究計画書について人を対象とする研究倫理委員会にて承認を得て、フィールド調整を実施した。そしてリクルートを開始し、3名のエントリーが終了した。うち2名は、妊娠初期のデータが取得できた。うち1名は、切迫早産にて入院治療となったため除外とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は、予定通りフィールドの確保ができ人を対象とする研究倫理委員会の承認が得られ、調査が開始できた。評価の指標となるアクチグラフに関する先行研究の文献レビューも論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究フィールドが、現在1か所のクリニックであり月間出産数が10件程度のため目標対象者人数に到達するには時間がかかる可能性がある。そのため、フィールドを開拓するとともに、対象者のエントリーを平行して実施して調査を行いデータを収集する予定である。 また20名程度集まった時点で、分析を実施し、対象者数の再検討が必要であれば計画変更を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由) 継続研究について、対象者エントリーおよび調査について謝礼金が発生する。またフィールド調整及び専門的助言についても謝礼金が発生する。その他、データ収集、専門的情報収集のための学会参加の交通費及び参加費が発生する。また、国内外での成果報告を予定しておりその費用の確保が必要である。 (使用計画)調査にかかる郵送費、交通費、フィールド調整医師および研究対象者への謝礼金に使用する。成果報告のため日本母性衛生学会をはじめ看護学および周産期医学関係の学術集会への参加のために使用予定である。
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