研究課題/領域番号 |
17K20013
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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研究分担者 |
中野 倫明 名城大学, 理工学部, 教授 (70329770)
山田 宗男 名城大学, 理工学部, 教授 (70509653)
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (90447855)
山下 典生 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (90628455)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 映像酔い / 大脳白質病変 / 経頭蓋直流刺激 / MRI / fMRI |
研究実績の概要 |
映像酔いの新規因子として脳の虚血性組織変化(脳の老化現象)である白質病変(LA)に注目して、LA容積量との関連性ならび経頭蓋直流磁気刺激(tDCS)による映像酔い軽減効果を調べた。本研究では、白質病変自動定量化プログラムを用いて白質病変容積を部位別に計測した。実験は、健常中高年者を対象に白質病変容積値からLAなし群(5ml以下, n=20)とLAあり群(20ml以上,n=20)に分けて行った。2D映像酔いでは、ドライビングシミュレータ(DS)画像を用いて、DS施行後の酔いをSSQ(simulator sickness questionnaire)で評価した。3D映像酔いでは、HMD(head-mounted display)装着の幾何学的映像をヨー回転で提示して、回転椅子上での酔いレベル(5段階表示)をリアルタイムで評価した。2Dでは、LA有り群で有意に映像酔いが出現し、特にLAが前頭葉と頭頂葉に存在する場合に顕著に映像酔いを認めた。さらに背外側前頭前野のtDCSで、2D映像酔いは有意に軽減された。拡散強調画像から全脳および上縦束・帯状束・鉤状束の各々の神経線維束のMD(mean diffusion)値を求め群間比較すると、LAあり群で有意に減少していた。一方3Dでは、映像酔いの強さにおいてLAの群間差は認めなかったが、映像酔い出現の潜時ではLAあり群で有意な延長を認めた。背外側前頭前野のtDCSでは、酔いの強さは軽減されず逆に増加傾向を示した。2D映像酔いにおけるLA容積量との関連性は強く示唆されたが、3Dに関しては不十分であった。3D映像酔いでは酔いを誘発するyawing回転の仕方やtDCSの設定条件などの調整が必要であると考えられる。
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