| 研究課題/領域番号 |
17K20020
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| 研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
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研究代表者 |
岩木 直 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 副研究センター長 (70356525)
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| 研究分担者 |
梅村 浩之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10356587)
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| 研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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| キーワード | 脳波 / ハイパースキャン / 非言語的コミュニケーション / 非侵襲脳機能計測 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では，対面する実験協力者双方における脳活動の同時計測（ハイパースキャン）データから，それらの間の相互作用と，非言語的コミュニケーションにおける行動指標や主観的評価指標との間の相関関係を明らかにして，相互の意思疎通度合いを評価すること，さらには評価した情報をフィードバックすることで意思疎通の良さを操作可能かどうか明らかにすることを目指している．
この目標に向けて，今年度は昨年度までに構築した，対面した実験協力者二名から脳波を同時に計測（ハイパースキャン）するシステムを用いて，二者が共通の視空間処理認知課題に従事している際の脳活動を計測することに成功した．これらのハイパースキャン脳波データは，同一の脳波計測システムでディジタルデータに変換され，両被験者間で完全に同期の取れた状態で保存される．われわれはまずこのデータに対して，そのまま個別の脳波信号解析のみならず両者の脳波間のコヒーレンスの解析などを適用することができることを確認した．また，共通の視空間処理課題を行う実験協力者20組で計測した脳波信号を解析した結果，とくに両者の頭頂部と前頭部における特定の周波数の脳波成分の強度コヒーレンスが，協力して課題を遂行する場合に，そうでない場合に比べて有意に変化する現象を観察することに成功した．これは，認知課題に取り組む姿勢の違いにもとづいて，課題遂行中の相手の行動を認知し自らの行動を調整する一連の非言語的活動が，両者の脳波信号の相関関係に影響を及ぼしているためと考えられる．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知課題実施中の二者で同時に脳波データを計測実験中のデータ解析の結果，二者それぞれの課題遂行中の行動指標についても，脳波信号解析のパラメータとして使用する必要を感じたため，実験実施中に連続的に計測している行動信号のアノテーションを行う必要が生じた．データのアノテーション作業に時間を要したため，脳波データの十分な解析が完了しなかった．2019年度前半に行う予定である．
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| 今後の研究の推進方策 |
2018年度に行う予定であった脳波ハイパースキャンデータの解析をすすめ，実験協力者の間の脳波信号の相関関係についてより緻密な考察を行う．また，対面した実験協力者間の非言語的意図伝達課題実験を実施し，意思疎通のよさと脳波指標の相関関係を調べる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2018年度中に行う予定であった実験の大半を2019年度に実施するのにともなって，被験者謝金，実験補助者人件費，被験者実験用消耗品費等を次年度使用額とする．
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