研究実績の概要 |
RNAクロマチン相互作用の予測に関連した以下の研究を行った. (1) 公共のiMARGI(RNAクロマチン相互作用の網羅的な実験データ)データをデータセットを用いて,6つのセルラインに対するRNAクロマチン相互作用の配列データの解析を行った.特に,細胞種間でのRNAクロマチン相互作用の保存性やRNAクロマチンn相互作用に寄与するトランスポゾンの同定などを行った.また,相互作用の予測モデルの構築も行った. (2) R-loopデータ(RNAとDNAの相互作用の網羅的なデータ)の解析を行った.その結果, 様々な生物種において,R-loop形成に関連する異なる繰り返し要素を見出した.ヒト、ミバエ、シロイヌナズナでは,sattellite, LINE, DNAトランスポゾンがR-ループに特異的に濃縮されていることが確認された.また、R-loopは生物種を超えて,低複雑度あるいは単純な繰り返しの領域に生じる傾向があった.また,R-ループの形成に関わる繰り返し要素は発生段階によって異なることがわかった.例えば、LINEやlong terminal repeat retrotransposon(LTR)はembryosでR-loopを含みやすく、その後、S2細胞で低複雑度かつ単純な繰り返し配列がR-loopを含みやすいことがわかった.結果は以下の論文で発表を行った. Chao Zeng*, Masahiro Onoguchi, Michiaki Hamada*, Association analysis of repetitive elements and R-loop formation across species, Mobile DNA, 12(3), 2021. doi: 10.1186/s13100-021-00231-5.
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