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2022 年度 実績報告書

形質介在効果の害虫防除への応用:捕食者存在下でなぜ害虫の作物被害は減少するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 17K20074
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

馬場 友希  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (70629055)

研究分担者 坂本 洋典  国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 研究員 (70573624)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2023-03-31
キーワード形質介在効果 / 化学分析 / 植食性昆虫 / 体表物質 / クモ / 害虫
研究実績の概要

今年度はクモ糸およびクモ本体を対象に、表面に存在する化学物質の抽出と分析を実施した。昨年度検討した糸の採取方法を基にゴミグモ、オニグモ、ナガコガネグモ、ヤマシロオニグモなどの複数種を対象に糸を集めたが、化学分析に必要な量を確保するのが困難であったため、クモの体表化学物質の同定に注力した。これまでの実験結果から、害虫がクモ由来の物質を忌避する証拠が得られていないため、逆に体表物質を利用して昆虫を誘引する可能性が示唆されているカトウツケオグモ Phrynarachne katoi(カニグモ科)に注目した。カトウツケオグモは体表面からにおいを出すことが知られているが、この物質がどのような化学組成か、実際獲物を誘引するかどうかは定かではなかった。
このカトウツケオグモの体表面物質の同定を行うために、本種を採集しアセトン抽出物およびヘキサン抽出物に対して高分解能GC/MS 測定を行った。ピーク強度を高めるため、ヘキサン抽出物について 窒素ガスパージにて乾固させた後に再溶解させ、10倍濃縮した上で測定を行い、 Hexadecanal, Palmitic acid, Icosadecanal, n-Hentriacontaneなど19の物質を同定できた。また、化学構造式を特定できないピークが30程度得られた。
最終年度は当初とは異なるシナリオ下で化学分析を実施したが、体表面物質に関する知見が非常に少ないクモ類において、他の生物種との相互作用を検討する基盤として非常に有意義な成果が得られたと考えられる。

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公開日: 2023-12-25  

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