本研究は癌治療のための放射線感受性ドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発を目的とし、陽子線治療と本DDSを併用することで、低副作用で高い治療効果をもたらす化学陽子線治療を目指している。放射線感受性DDSは主にアルギン酸、ヒアルロン酸を用いて作成された。さらに、DDS破壊を効果的に誘発するためにアスコルビン酸を添加した。15㎜幅の拡大ブラッグピークを有する80MeV陽子線を用いてDDSに5, 15 Gy照射した。その結果、無照射のカプセルに比べて20~30%の薬剤放出量が増加し、本研究で開発されたDDSが陽子線治療の臨床的線量において放射性感受性を有していることが確認された。
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