ラット頭部に固定具および聴覚野硬膜上に16チャンネルマイクロ皮質脳波電極アレイを埋め込み,ラットを固定した上でレバーを操作させて,知覚を報告するように訓練した.これらを用いてラットの可聴閾値音圧を調べ,閾値付近でのラット聴皮質の神経活動がどのように異なるか調べた.この実験系を利用して,ラットの視床の電気刺激による知覚補綴効果を検討した.その結果,視床への電気刺激が,聴覚野でP3波と類似した神経活動を介して,聴知覚を生成あるいは促進していることと,視床の感覚ゲーティング機能により,視床刺激が知覚に及ぼす影響は,刺激パラメータに強く依存することが示唆された.
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