Whole slide image(WSI)スキャナは病理診断に用いられる標本を画像化するために必要な装置であるが,三次元構造を持つ標本を正確に画像化できない点が課題であった.この問題を解決するために,WSIにおいて被写界深度を拡大する研究や,三次元画像再構成・解析・可視化の研究や,自由視点画像合成の研究を実施した.焦点距離の走査を必要とする手法,及び必要としない手法について提案し,数値及び光学実験により効果を実証した.本成果により,デジタル病理診断において三次元情報の取り扱いを簡便なハードウェアで実現でき,細胞診標本等三次元構造を持つ対象のWSI画像化や解析の普及の促進に貢献できる.
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