研究課題
平成29年度の研究では、多くの自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)児が複数体の小型ロボットであるCommUとのコミュニケーションに集中できるように複数体のCommUの動きを調整したが、それを受けて平成30年度は、二体のCommUとコミュニケーションを行う群と、一体のCommUとコミュニケーションを行う群に分けて二体のCommUとコミュニケーションを行うインタラクションの質について評価した。ASD児を対象とした。各群は約15分のインタラクションを実施した。二体のCommU及び一体のCommUはそれぞれあらかじめプログラムされたスクリプトに添って、実験補助者が遠隔操作を行いながらコミュニケーションを行った。被験者にはあらかじめCommUが遠隔操作されていることをお伝えした。うなずき、瞬きはランダムなタイミングで対象物を見つめる設定とした。被験者がロボットとインタラクションしている中で、ロボットが対象物を見た際にASD児が対象物を見つめるまでの時間を評価し両群を比較した。また①対象物への注視時間の割合、②うなずきと首を振る回数、③笑いの回数、④発話量、間主観測度として⑤情動的なつながり感、⑥やりとりのスムーズさについても併せて評価した。二体のCommUとコミュニケーションを行った際のインタラクションの質については一体のCommUとコミュニケーションした際のインタラクションの質と大きな違いはなかった。ASD児が二体のCommUとも負担なくインタラクションできることが示唆された。また他のロボットを二体使用した際の負担についても検証した。
すべて 2019
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Journal of Autism and Developmental Disorders.
巻: 49(4) ページ: 1709-1716
10.1007/s10803-018-3848-7.