研究課題
より簡便な方法で細胞接着因子をパターン固定化するために、光塩基発生剤と紫外光照射とを組み合わせることにより、塩基性の高い部分をポリアクリルアミド(PAAm)ハイドロゲル表面に対して、パターン導入した。すなわち、1,2-Diisopropyl-3-[bis(dimethylamino)methylene]guanidium 2-(3-benzoylphenyl) propionate (WPBG-266)水溶液にハイドロゲルを浸漬後、フォトマスクを介して紫外光照射(照射強度2.67 mW/cm2、2 min)を行った。得られたハイドロゲルを50%酢酸で洗浄後、ハイドロゲルを52℃で異なる時間処理することによって、PAAmのアミド基をパターン加水分解した。このパターン加水分解したPAAmハイドロゲルに対して、ペプチド合成により作製した様々な細胞接着分子をパターン固定化した。その結果、光塩基発生剤と紫外線照射とを組み合わせることにより発生したパターン塩基によって、アミド基の加水分解をパターニングすることができた。これにより、より簡便な方法でハイドロゲル表面の細胞接着分子をパターニングできることがわかった。一方、磁性粒子を含有したPAAmハイドロゲルを調製し、コラーゲンを固定化した。2次元培養したイヌ腎臓尿細管上皮細胞(MDCK細胞)を、磁性粒子を含有したハイドロゲルによりサンドイッチ後、ネオジム磁石を用いてサンドイッチ状態を維持した。位相差顕微鏡を用いて観察したところ、ハイドロゲルでサンドイッチしたMDCK細胞の形態は、2次元培養とは異なり、3次元構造を形成していた。一方、ネオジム磁石を用いない場合、この3次元構造の形成は認められなかった。以上の結果は、磁力により維持されたサンドイッチ培養により、2次元培養した上皮細胞から管状上皮形成が誘導されることを示唆している。
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