研究課題
(1)薄膜状アンテナコイルを利用した発光デバイスの作製:前年度までに開発した薄膜状アンテナコイル(2 cm×2 cm, 厚さ182 nm)の生体応用を目指し、アンテナコイルの柔軟性と耐水性を評価した。まず、作製した薄膜状アンテナコイルを100回屈伸(曲率半径: 5 mm)したところ、抵抗値の増加が20%以下であることが示された。また、アンテナコイルは曲率の増加に応答して、周波数特性の反射係数を変化させることが明らかとなった。これにより、薄膜状アンテナコイルが曲げひずみセンサとしても応用可能であることを見出した。さらに、薄膜状アンテナコイルに青色LEDを搭載した発光デバイスは、両面をシリコーンゴム(膜厚: 50μm)にて封止することで、リン酸緩衝液中に8週間以上浸漬させても作動した。以上の結果から、発光デバイスは丸めた状態で生体内に注入され、生体環境下で使用可能であることが示唆された。本成果をまとめ、Advanced Electronic Materials誌に報告した。(2)発熱デバイスの作製:薄膜状アンテナコイルに対し、送信用コイルを用いて無線給電すると発熱する現象に着目し、生体への適用を目指した無線給電式薄膜発熱デバイスを開発した。無線給電(20 Vp-p, 距離 1 mm)により、発熱デバイスの温度を一分間で約50度上昇させることに成功した。また、給電周波数を共振周波数から遠ざけると発熱温度が減少するため、給電周波数を利用して発熱を制御できることが示された。発熱デバイスは2枚のシリコーン薄膜(厚さ 50μm)にて封止することで、生体組織切片上でも発熱(一分間で約20oC)することを確認した。これにより、温熱療法などの治療への応用が期待される。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 8件、 招待講演 12件) 備考 (2件)
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