研究課題/領域番号 |
17KK0001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
夏井 雅典 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10402661)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2019
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キーワード | 知的環境適応型LSI設計技術 |
研究実績の概要 |
本研究では,脳の情報処理過程における学習・記憶,超並列,自律分散といった様々な原理に基づく柔軟かつ複雑な処理をハードウェアアルゴリズムとして実装することにより,高次の処理を極めてコンパクトなシステム構成で実現することを目指す.特に本研究においては,脳の可塑性(環境適応性)と呼ばれる機能にヒントを得,従来の延長上にない知的環境適応型新概念LSI設計技術の確立を到達目標とする. 本技術の実現においては,入力情報を適切に処理する計算アルゴリズムのみならず,本アルゴリズムを如何にしてコンパクトかつ低消費電力なハードウェアとして実装するかが重要な課題となる.そこで,主たる海外共同研究者として,集積回路設計技術ならびにパワーマネジメント技術の第一人者であるカナダ・トロント大学のWai Tung Ng 教授を受入先として選定し,本年度より海外渡航を開始した.海外共同研究先であるトロント大を訪れ,研究環境および長期滞在のための環境の構築を進めるとともに,Wai-Tung Ng教授との打合せを通し,次年度における研究推進の方向性を検討した.教授らとの議論を通して,本研究者がこれまで提案してきた高信頼LSI設計技術と,Ng教授が専門とするセンシング技術およびLSIモニタリング技術を融合することによる,センサからの時系列入力情報を内部に蓄積することで,動作環境に即した適切な処理へと機能を変化させる新概念VLSI設計技術の基盤構築に向けた研究を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度終了時の段階で既に主たる渡航先外国機関であるトロント大を訪れ,研究環境の構築を開始しているとともに,長期滞在のための居住環境等についても整えつつある状況である.また,共同研究者との打合せも開始し,次年度以降の方針についても検討を開始している.以上のことから,本研究の進捗は概ね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行った研究方針の打合せを引き続き進め,次年度以降の研究内容の明確化を図る.同時に,主たる共同研究者のみならず,渡航先外国機関であるトロント大に所属する他の研究者との連携の可能性についても並行して検討し,Face-to-Faceの打合せを通したさらなる研究展開を模索する.
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