研究課題/領域番号 |
17KK0010
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
新田見 匡 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20377089)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2021
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キーワード | 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / バイオテクノロジー / 医療・福祉 / ウィルス / 細菌 |
研究実績の概要 |
本研究課題では活性汚泥中のコウレオスリックス属細菌を題材に、バクテリオファージ(以下ファージ)を用いた特定細菌の選択的制御方法の構築を目的としている。また同方法を医療分野において問題となる各種細菌の選択的制御にも応用することも目的とする。 本年度は都市下水処理施設の活性汚泥より分離培養された糸状性細菌を宿主とする溶菌性のファージの探索と解析を目的に研究を実施した。都市下水処理施設より採取した15種類の活性汚泥試料を精密ろ過に供し、その透過液をファージ混合液とした。活性汚泥から分離培養された糸状性細菌に同ファージ混合液を添加し、細菌とファージの共培養を行った。その結果、寒天培地での培養において、1株の細菌についてファージ由来のプラークを確認した。しかし同細菌株は増殖速度が非常に遅く、寒天培地で均一に育てることが難しいものであった。そのため得られたプラークからファージを分取して再度細菌株に感染させてプラークを得る精製作業に困難があり、ファージを分離精製して特定することはできなかった。今後はこのような増殖の遅い細菌を対象としたファージの分離精製について、実験方法の改善を検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は下水処理施設の活性汚泥より分離培養された糸状性細菌、および歯周病の原因となる細菌を宿主とする溶菌性のファージの探索と解析を計画していた。しかし歯周病の細菌については実験を実施できず、また下水処理施設の細菌についても、目的のファージを分離するには至らなかったため、遅れていると評価した。本年度は情勢により実験試料の採取や海外共同研究者との研究実施に困難があった。
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今後の研究の推進方策 |
下水処理施設の活性汚泥より分離培養された糸状性細菌を宿主とする溶菌性のファージの探索と解析を継続する。また歯周病の原因となる細菌を宿主とするファージの探索と解析も継続する計画である。情勢によっては海外共同研究者との共同研究も実施する。
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