自由対流圏高度における粒子状物質の高時間分解能モニタリングを可能にする大気粒子状物質捕集器を製作し,粒子状物質に含まれるイオン成分をオンラインで分析するためにイオンクロマトグラフと組み合わせた。本分析システムを富士山頂における10日間の大気観測に適用した。その結果,観測期間中に得られた大気粒子状物質に含まれるイオンの平均濃度は,NO3-が0.322 nmol m-3,SO42-が0.481 nmol m-3であった。本捕集器による大気粒子状物質の捕集効率はほぼ100%であり,自由対流圏高度における連続観測に成功した。
|