研究課題
自然要因による気候変動が人類の文明活動にどのような影響を与えてきたのかを理解するためには長期の気候データが重要である。また、そのような気候データは、気候変動のメカニズムを理解するためにも必要である。しかし、精確な年代をもつ長期間の気候変動データは日本周辺には少ない。本課題では、人類の文明活動と関連が強い完新世における沖縄地域の気候変動を高時間分解能で明らかにすることを目的として、沖縄本島および周辺離島で得た完新世をカバーする石筍試料を用いて研究を行う。特に、高解像度の年代モデルを構築するために、国際共同研究を通じて多くのウラン・トリウム年代測定を実施することで高解像度の気候変動を明らかにすることを主な目的としている。また、本研究を通して、今後の国際的連携推進の基盤となるネットワークを構築する。本研究では、精確な気候変動データを得るために年代軸(X軸)と気温や降水量等の気候指標(Y軸) の両方の分析を並行して進める。本年度は、新型コロナウィルス感染拡大対策による入国・出国制限があり、海外共同研究先への訪問は実施できなかった。また、予定していた国際学会(AOGS)での発表も大会の開催自体が中止になり発表できなかった。安定同位体比分析については名古屋大学で実施したのでコロナウィルスによる影響はなかった。ウラン-トリウム分析については試料をそれぞれの機関に輸送し、研究結果の議論はオンラインやメールなどを用いて引き続き共同研究を実施した。また、南洋理工大学(シンガポール)で実施したウラン・トリウム年代測定データをもとにして学会発表を行った。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 7 ページ: 15
10.1186/s40645-020-00329-z