研究課題
2019年夏にパンノニア大学を訪問し、2018年度に設置した大気エアロゾル捕集装置の他に、大気中に存在する水蒸気をガラスカラム内に充填したモレキュラーシーブに捕集するシステムを組み上げた。また、同時に大気中CO2濃度および気温、湿度、気圧およびSPM濃度を連続測定できるセンサーを設置した。大気中に存在する宇宙線生成核種は、S-T混合により対流圏へ移動すると考えられ、S-T混合は春季と秋季に比較的活発になると考えられるが、新勤務先への異動初年度であり、学内業務等もあり集中観測は最もS-T混合が活発であると考えられる春季とした。2020年2月にはそれらの同時連続測定を開始した。大気エアロゾル捕集-7Be測定、大気水蒸気素捕集-3H測定は1週間毎に実施した。各気象パラメータ、CO2濃度およびSPM濃度は1時間ごとに測定し、データロガーに記録させた。データ捕集の確認、パンノニア大学の測定装置のキャリブレーションも終え、3月1日に帰国した。3月中旬に再渡航し、観測を継続する予定であったが、新型コロナウイルス感染症による渡航禁止を受け、現在観測は停止している。また、すでに採取し、測定待ちであった試料についてもGe半導体検出器を使用するための液体窒素の供給が止まったため、実施していない。なお、7Beの半減期は50日程度であり、すでに放射壊変により検出下限値以下になっている可能性が高く、再測定は難しい状況である。
3: やや遅れている
新しい職場への異動に伴い、環境整備のため多少の時間を要した。そのため、予定していた渡航機関に比べ短くなり、現地での集中観測ができなくなった。また、2020年2月から集中観測を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症に伴う渡航禁止の影響を受け、全て中止となった。今後も、いつから渡航できるか予定は立たないものの可能な限り渡航して調査を進める予定である。
研究実施のための渡航が許可されたのち、一度渡航して実験環境の確認を実施する。観測環境から実験環境、滞在先のアパート等、全てアレンジ出来たら、2021年1月より2か月程度滞在し、2020年度に予定していた集中観測を実施する。また、成果を発表予定であったハンガリーで開催される国際会議が8月に開催され、かつ渡航が許可された場合、これまでに得られた成果を発表する。
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