大気上層では、人為起源トリチウム年間生成量の約5 倍もの天然トリチウムが定常的に生成されている。そのため、我々の生活環境には定常的に「天然起源トリチウム」が存在していると言える。しかし、気象イベントにおける天然起源トリチウムの対流圏への移流量やその物理化学的形態と相変化等については明らかにされていない。福島第一原子力発電所事故以降、人為起源トリチウムへの国民の関心は高い。本研究では、いくつかの天然及び人工放射性核種を組み合わせ、天然起源トリチウムを追跡するためのマルチアイソトープ手法の確立を目指す。
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