研究課題
本研究の目的は,北海道北部,サハリン,シホテアリンにおける温泉・鉱泉の地球化学的分析・解析を通して,ユーラシア東縁全体での深部流体の分布や性質を系統的に把握することである.このために,【計画1】背弧・大陸縁辺の泉水を調査・化学分析し,【計画2】深部流体の上昇過程やフラックス推定を行う.令和二年度は,昨年度に引き続き【計画1】の遂行を目指した.試料の輸送に関して想定外の問題が生じ,予定していた試料数や分析量には及ばなかったが,本研究やその準備段階において,ロシア側と2回の合同調査(2018年6月極東広域,2019年6月サハリン南部域)を行い,ロシアの研究ロジスティクスや極東地域の流体の分布と水質について把握したことで一定の成果を得たと考えている.また,当初ロシアで調整していた実験は行うことができなかったため,方針を変え,国内で可能な範囲で行った.この結果,背弧連続域について系統的なデータを得ることができた.【計画2】に係る統合データベースの作成のために,ロシアの文献から既存データを抽出し,データベース化を進め,解析で得られた知見の一部について論文化を行った.コロナ流行のため大使館でのビザ発給が行われず,予定していた渡航は断念したが,ネット経由での話し合いを重ねることで,ユーラシア東縁域での流体研究の科学的意義を再確認・共有し,既存データを再検討することで,複数の学会発表や論文化を行い,概ね予定通りの成果を上げるに至った.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件)
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