研究課題/領域番号 |
17KK0021
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
伊東 剛史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10611080)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2021
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キーワード | イギリス / 人と動物の関係史 / 感情史 / 文化史 / アニマル・スタディーズ |
研究実績の概要 |
本研究の全体の計画としては,2019年度に行った海外での長期的な研究の成果を,2020年度に補完的な史料調査をふまえて,まとめるという計画を当初は立てていた.しかし,2020年度は海外の文書館での史料調査が行えなかったため,別に新たに発見したオンライン史料を補完的に用いて,これまでの研究成果をまとめる作業を進めた.具体的には,ロンドン自然史博物館で発見した手稿史料の読解,分析を進め,それに基づき「20世紀初頭のフィリピン南部における鳥類収集―新種の発見と命名をめぐって」『専修大学人文科学研究所月報』305(2020)を発表した.また,2019年のベルリン滞在中に開拓することができた人的交流をもとに国際的な共同研究を進めた.これについて11月にフンボルト博物館所属研究者主催のオンラインワークショップに参加し,研究報告を行った.そこで得られたフィードバックをもとに,その後,ワークショップの成果を学術誌の特集号として発表することが決まり,論文執筆を進めた.2021年度前半に論文を完成させ,投稿する予定となっている.また上智大学地球環境研究所が主催した「サステナビリティとダーウィニズムについて考える」 において,研究報告「気候馴化と動物資源管理の歴史ー19世紀イギリスを中心に 」を行い,本研究の一部研究成果を紹介した.12月には,動物観研究会公開ゼミナール:特別企画「日欧の動物観を考える」 において,「動物園史の現在」の報告を行った.ここ10年前後で大きな展開を見せる動物史,人と動物の関係史の成果と展望について,とくに動物園史の研究を中心に紹介した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に予定していた文書館における補完的な史料調査を実施できなかったため,当初計画していた研究成果の公表はできなかったが,新たなオンラインの史料が発見できたため,「研究実績の概要」に記載したような研究成果の公表を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に実施できなかった海外の文書館(ロンドン自然史博物館)での史料調査を行う予定.ただし,それが不可能であれば,新たに発見したオンライン史料を補完的に用いつつ現時点での研究成果を学術論文としてまとめる予定.
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