近現代イギリスにおける「人と動物の関係史」ー領域設定による総合的理解モデルの構築

2022 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17KK0021
• 研究種目: 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: ヨーロッパ史・アメリカ史
• 研究機関: 東京外国語大学
• 研究代表者: 伊東 剛史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10611080)
• 研究期間 (年度): 2018 – 2022
• キーワード: イギリス史 / 都市史 / 動物史 / 人と動物の関係史 / 感情史

研究成果の概要

本共同研究の目的は、近代イギリスの動物福祉を主題とする基課題を発展させ、人間社会と動物との多元的関係を分析するための研究領域を開拓することであった。その結果として、T.ito, 'Flying Penguins in Japan's Northernmost Zoo', in Tracy McDonald and Daniel Vandersommer (eds) Zoo Studies: A New Humanities (Montreal: McGill Queens Univ, 2019),pp. 237-261等の国際共著論集など、多数の成果を得ることができた。

自由記述の分野

イギリス史、動物史、感情史、痛みの文化史

研究成果の学術的意義や社会的意義

近年、持続可能な発展とエコツーリズムや、倫理的消費とヴィーガニズムなど、人と動物との関係をめぐる新たな価値観と行動様式が、日本社会に浸透しつつある。しかし、一方で、捕鯨問題のように動物の処遇に関する問題は、経済的利害と絡み合いながら、文化的な摩擦や対立構図を生み出している。このような状況において、人と動物の関係をめぐる理念、制度、実践の歴史を、動物愛護の先進国とみなされてきたイギリスの経験に即して、総合的に理解することの意義が、現在、非常に高まっている。