研究課題/領域番号 |
17KK0024
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
谷川 竜一 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (10396913)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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キーワード | 冷戦 / 北朝鮮 / 植民地 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では、冷戦下の平壌とソウルが対立を前提とする依存関係のもとで都市空間を変容させてきたと捉え、その相関メカニズムを建築・都市史研究として解析している。研究手法としては、代表者が2018年度後半から2019年9月末まで漢陽大学に滞在し、同大学建築学部の韓東洙教授らとともに共同研究体制を敷き、研究内容のブラッシュアップ、共同踏査、資料の共有などを頻繁に行いながら進めた。そして韓国滞在以後は、韓国滞在で培った研究基盤を足場として、韓東洙教授や徐東千副教授(2021年度より木浦大学准教授)らと精力的に情報共有や議論を進め、論文の共同執筆などを行ってきた。 研究の観点としては、平壌・ソウル両都市の都市空間構造、国際政治・経済的背景の差異、両都市の歴史的な空間形成に対する日本の関与、独立後の象徴的建造物の建設技法などに注目してきた。本年度はこれまで収集した資料の整理およびデータ化など、コロナ禍のなかでできうることを集めてきた。特にソウルの19世紀末の状況や北京の都市整備に関する情報や知見の収集に努め、それに基づきつつ成果論文も1本本年度発表することができた。また、朝鮮半島からの引揚者などに関する情報も収集した。他方で、2021年度は12月および1月に徐准教授と国際共同研究会を計画していたが、オミクロン株の登場などで渡航が不可能になったため、開催することが不可能となった。コロナ禍による研究スピードの低下は否定できないが、本年度も含めこれまで蓄積した研究資源を用いて共著論文を書く計画などを、共同研究者と進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も2020年度に引き続きコロナ禍のただなかで、国内の出張なども制限されることが多く、共同研究者らと資料の共有や読解、共同の研究資源の蓄積などに努めたものの、成果を出すスピードが低下したことは否めない。そうしたなかでも共同研究の議論は進め、同時に国際研究会などを開催しようとしたが、オミクロン株の登場などによるコロナ禍の状況変化によって開催することができなかった。こうした事情により現在遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1年延長させて頂いたので、これまで収集した資料の活用に向けた整備の継続を進めるとともに、共同研究者との国際研究会の開催を再度試みたい。また、国際共同研究としての研究全体の整理を行いたい。
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