研究課題/領域番号 |
17KK0026
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村井 恭子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50569291)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2021
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キーワード | 東洋史 / 唐宋時代 / オルドス / 石刻資料 / 遊牧民 |
研究実績の概要 |
当初の研究計画では、2020年3月より1年間中国に渡航し、北京・西安を拠点に共同研究を実施することになっていた。現地の研究機関とも連絡をとり協力の約束を得たところで新型コロナウイルスの流行のために渡航不可能となり、現在渡航延期の状態にある。共同研究者の一人、市来弘志氏も日本に帰国しており、いまなお陝西師範大学からの帰還の指示を待っている状況である。 今年度はコロナ流行下でも行える作業として、市来氏と関連墓誌の目録作成を行う予定としていたが、折しも当該研究における第一人者の周偉洲教授(陝西師範大学)が吐谷渾墓誌の整理を行った文章(同「吐谷渾墓誌通考」『中国辺疆史地研究』29-3、2019、pp.65-79.)を発表したので、もう一人の共同研究者・栄新江教授の仲介を経て周偉洲教授に連絡を取り、日本語翻訳の許可を得た。さらに今年度は吐谷渾に関する重要な考古発掘報告が相次いでいたため、市来氏と共同で翻訳作業を行うほか、解説・補注・附録を増補して吐谷渾墓誌目録・新出墓誌の録文および考古発掘の最新情報の追加して発表した(これについては電子版がすでに神戸大学のリポジトリに掲載されている)。これによって未公表のものを除き、吐谷渾関連情報の集約を日本の学界に提供しえたと考える。 本研究は一年の期間延長が認められたため、引き続き共同研究者と連絡を取りつつ研究を進めていく。また今回の翻訳作業で、現地の最新情報に直接関わっている周偉洲教授と連絡が取れるようになったため、さらなる協力を仰いでいく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中国における新型コロナウイルスの流行により、現在なお受け入れ機関の北京大学では新規の訪問研究者受け入れを停止したままとなっている。さらに、共同研究者の一人である市来氏もいったん日本に帰国したのちいまも西安に戻ることができていない状態にある。 渡航が可能となればすぐに研究を行えるように中国側各研究機関とはメールにより連絡を取り合っている。
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今後の研究の推進方策 |
現在日中両国でコロナの変異株が流行し、いつ渡航可能となるか、また中国国内での研究態勢がいつ回復するか判断できないため、引き続き国内において可能な範囲で資料整理・目録作成などの作業を進めるとともに、協力機関との連絡を継続し、現地の最新情報の収集に努める。
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