本研究は、7世紀から12世紀(唐宋時代)にかけて中国のオルドス地域を拠点とした遊牧民勢力の実態と、その軍事力によって活性化したユーラシア東部地域の政治・社会を再構築するという基課題を継続するものである。とくに漢語史料に関して、近年発見された石刻をはじめとする史料を現地調査し、これらの史料の公表を通じて日本における関連分野の停滞を解消するとともに、これらの史料から唐宋時代のオルドス地域の状況や当該地域の遊牧民勢力の実態を明らかにすることを目的とした。本研究は新型コロナウイルスの発生により大幅な計画変更を余儀なくされたが、最新の発掘情報をもとに史料を整理・更新し、研究成果を発表することができた。
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