研究課題/領域番号 |
17KK0031
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
堀内 俊郎 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (60600187)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | サンスクリット写本研究 / 『楞伽経』 / 『決定義経注』 / Arthavini.ccayasuutra / 仏教文献学 |
研究実績の概要 |
事前の渡航先との綿密な打ち合わせの結果、2019年11月よりドイツ・ハンブルク大学に渡航し、現地での国際共同研究を開始した。ハンブルク大学は各国から仏教研究者が集っており、特に写本を扱う研究が盛んであり、研究環境は良好である。共同研究者のHarunaga Isaacson教授とは定期的に打ち合わせを行い研究を進めている。本研究で扱っているテクストは主に『楞伽経』と『決定義経注ArthavinizcayasUtranibandhana』である。2月には共同研究者とともに1週間ほど日本を訪問し、研究会を行った。さらに、3月8、9、10日の2日半にわたり、本科研にて、「ハンブルク大学における国際ワークショップならびにシンポジウム―サンスクリット写本研究の国際的ネットワーク構築にむけて(INTERNATIONAL WORKSHOP AND SYMPOSIUM AT HAMBURG UNIVERSITY: Toward a Construction of an International Network of Sanskrit Manuscript Study)」を共催した(於ハンブルク大学・アジア・アフリカ研究所)。20名弱の参加者があり大盛況であった。いずれのセッションもサンスクリット写本に基づく資料作成に基づく研究であり、合同で読み合わせをした結果、いくつもの有益な訂正案や情報交換が得られた。サンスクリット写本研究の国際的ネットワークの構築という本科研の目的に沿った一つの大きな成果といえる。第2弾も予定している。2月の研究会の成果は3月刊行の論文に反映しており、3月のワークショップの成果もいずれ公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事前の綿密な打ち合わせや準備ののちに渡航したので、研究がスムーズにいっている。かくして、さっそく3月刊行の論文にその成果を反映することができた。また、渡航4か月ほどで中規模の国際的なワークショップを開催することもできた。研究者たちとの情報交換も頻繁、積極的に行うことができ、サンスクリット写本研究の新たな国際的ネットワークの構築が着実に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
3月中盤からは人の往来がむつかしくなったが、オンラインで研究会などに参加し、共同研究者とも打ち合わせを行う予定である。研究所自体は開いているので研究の遂行に問題はない。まずは3月のワークショップの成果の公表に向けて成果を取りまとめている。さらに、第2弾の国際ワークショップの開催に向けて、発表資料作成などを行っている。今後も着実に写本の読解や、写本研究のネットワークの構築を行っていく予定である。
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