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2022 年度 実施状況報告書

イギリス帝国による世界的な文書隠蔽工作:1950-80年代における植民地省の役割

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0033
研究機関早稲田大学

研究代表者

佐藤 尚平  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70597939)

研究期間 (年度) 2018 – 2023
キーワード記憶 / 忘却 / 隠蔽 / エリザベス2世
研究実績の概要

第二次世界大戦後、イギリス帝国は世界各地で大規模な文書隠蔽工作を行なった。この世界的な文書隠蔽工作において本国イギリスの植民地省が演じた役割を理解することが研究課題の目的である。
当初の計画では、2020年3月から長期海外調査を行う予定であったところ、新型コロナウィルスの影響によりそれが延期されてしまったが、2022年度は少しずつ海外調査を行うことが出来た。
本研究課題の大きなの柱となる作業は、イギリスで近年発見された新出史料を検討することである。これは、イギリスが第二次世界大戦後に行なった文書隠蔽工作の際に、世界各地の植民地からイギリスに秘密裡に移送されたものである。2011年になってようやくその存在が公になり、移送文書群とも呼ばれている。本研究課題ではこの移送文書群を検討することで、世界的な文書隠蔽工作がどのように展開したのかを理解することを目指している。
現在、移送文書群は、ロンドンのイギリス国立公文書館に所蔵されている。新型コロナウィルスの影響がもっとも深刻だった時期はイギリス国立公文書館も事実上閉鎖されたが、その後徐々に一般利用が可能になり、2022年度は本研究課題でも感染対策をとった上でイギリス国立公文書館を訪れることが出来た。このこと自体は大きな前進だが、満を持してロンドンを訪れることが出来たちょうどその時期に、移送文書群が非公開にされるという事態に見舞われた。その後、公開が再開されたタイミングで、再度イギリスに渡り、調査を再開した。また、イギリス外務省に情報公開請求を行い、有用な情報を得ることも出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの影響や文書の非公開など想定外の社会的な障害により当初のペースでは研究を進めることが出来ていないが、その一方で、置かれた状況下で可能な作業を進めており、またイギリス外務省に情報公開請求を行って有用な情報を得るなど想定外の進展もあったため。

今後の研究の推進方策

感染対策を十分に講じた上で長期海外調査を含め研究を推進したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脱植民地化と史料の移管・破棄・隠匿:日英両帝国の比較に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤尚平
    • 学会等名
      日本国際政治学会

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公開日: 2023-12-25  

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