研究実績の概要 |
本研究の目的は,コミュニティ型ワークスペースにおけるコラボレーションの生成・展開メカニズムを国際的に比較・検討することである。最終年度の主な成果は,次の3点である。すなわち,(1)理論的枠組の洗練, (2)方法論の洗練,(3)関連する成果物の公表,である。 (1)については,本テーマに関する先行研究のレビューを継続し,関連する基本的な概念・理論から先端的な概念・理論まで幅広く整理・検討した。その結果,研究の取りまとめに向けて理論的枠組みを精緻化できた。(2)についても,研究の取りまとめに向けて,とくに現象学的アプローチを中心に方法論を検討できた。その結果,質的調査に関する論文を発展させるための手続きについて理解を深められた。さらに,関連する研究の一端をまとめ,国際的なブックシリーズに論考を投稿できた。(3)については,『1からのキャリア・マネジメント』や『中小企業・スタートアップを読み解く』といった図書で本テーマに関連する成果を公表できた。いずれも専門書というよりは入門書に当たるが,本研究が着目する現代的な共有・共創スペースや協働に関する概念・理論,当該現象をより良く理解するための方法,関連する国内外の先端的な動向・事例が盛り込まれている。 また,研究期間全体では,COVID-19により研究計画の大幅な変更を余儀なくされたが,書籍や論文,学会発表を通して,一定数の成果を国内外に向けて発表できた。それらの成果には,国際的に定評のあるハンドブックシリーズに掲載された論文や経営学における主要な国際学会での発表なども含まれている(なお,公表に向けて取り組んでいるものもいくつか存在する)。 以上の成果は,本研究活動におおいに寄与しただけでなく,コミュニティ型ワークスペースにおけるコラボレーションの生成・展開に関する基礎的・先端的知見の公表という点で理論的・実践的に意義があるといえる。
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