研究課題/領域番号 |
17KK0044
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 経済政策 / 労働経済学 / マッチング / 雇用仲介 / 職業紹介 |
研究実績の概要 |
(i)2020年3月31日渡航開始について、受け入れ者である Alexander Hijzen (OECD senior economist) および彼の上司で決定権をもつ Mark Keese (the Head of the Skills and Employability Division in the Directorate for Employment, Labour and Social Affairs) と2019年3月15日にパリにて会合を持ち、受け入れ条件と手続きについて確認した。その後、2019年12月にOECDと一橋大学経済研究所の間に正式に協定が取り決められ、2020年2月にビザの取得まで進んだ。 (ii)この間、Hijzen氏とはスカイプやメールを用いて連絡をとり、2020年4月以降の研究計画について協議を重ね、各国の職業紹介機関のリスト化やコンタクトの整理を進めた。ただし、2020年1月より本格化した新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、世界各国が急激に不況に突入することが予想されている。現状は、感染症の流行を食い止めるために補償付きの休業措置が採用されており、米国を除いて、いわゆる失業者が急増する状況にはない。しかし、ロックダウンが解除され休業期間が終了したあとには、解雇や失業者が急増することが現在からすでに予想されている。これに対して、各国の職業紹介機関が迅速に対応することが求められているものの、その具体策はまだ整えられていない。マッチングのマイクロメカニズムを明らかにする本研究の成果を各国で共有することを通じて、ロックダウン後の労働市場における仲介組織の役割についても研究の視野に入れることをHijzen氏と協議した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月30日離日、3月31日よりOECDにて研究を開始する予定だったが、新型コロナウィルス感染症の流行により、欧州への渡航が制限され、2020年4月17日に離日が延期され、さらに5月12日に延期された。また、4月2日にロンドンにて予定していたUCLのAlex Bryson氏との会合も中止され、6月中に会合が持てるようにスケジュール調整している。
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今後の研究の推進方策 |
5月12日離日、13日よりOECDで共同研究を開始する予定だが、すでにOECDの内部アカウントを開設し、定期的に打ち合わせを開催している。まず、欧州におけるマッチングの概況についての情報を収集し整理する。とくに新型コロナウィルス感染症の流行により各国ともに在宅勤務が奨励されるようになったことから、これに各国の職業紹介機関がどのように対応しているかを中心に情報収集する。また、急激な不況に突入していることから、急増する失業者に対する職業生活の安定をどのように達成するかについても、情報を収集し、日本の事例を提供する予定である。
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