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2019 年度 実施状況報告書

高齢期の意思決定バイアスの国際比較:多様な価値観に応じた自律支援を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0049
研究機関神戸大学

研究代表者

増本 康平  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20402985)

研究期間 (年度) 2018 – 2021
キーワード意思決定 / 感情調整 / 国際比較 / 高齢者 / 加齢
研究実績の概要

意思決定は直感的・感情的な処理と熟考的・理性的な処理が関与しているが,直感的・感情的なプロセスには文化差があることが知られている。例えば,アジア圏では穏やかな感情状態が重視されるが,欧米とくにアメリカでは覚醒度の高いポジティブな感情状態が重視される。しかしがなら,このような文化による違いが高齢期でもみられるのかは検討されていない。
また,重視される感情状態だけでなく,感情をコントロールする方法にも文化差があり,感情のコントロールにどのような方法を用いるかが,意思決定プロセスにも影響することが最近の研究より明らかになってきた。
感情調整の方略には,ストレスとなる事象の捉え方を変えるといった方法や,感情を表出しないようにするといった個人の中で完結するものと,他者に相談することで不安を解消するというような他者とのコミュニケーションで行う個人間感情調整がある。個人間感情調整は海外では注目されているものの(Hofmann, 2014; Zaki & Williams, 2013)日本では測定する指標がない。そのため2019年度は,20-70代の各世代156名ずつ,男女936名を対象とし,海外の指標を参考に,日本版の個人間感情調整尺度の作成をおこなった。また,調査の結果,個人内感情調整の適切な方略の使用は加齢とともに増加する一方,他者とのコミュニケーションを基盤とする個人間感情調整は加齢による減少が認められた。2020年度はこのような傾向が欧米でもみられるのか検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

日本での指標の作成に時間がかかり,海外での調査の実施が遅れている。

今後の研究の推進方策

2020年度は今年度収集した日本人のデータとアメリカとのデータを比較し,感情調整の違いが意思決定及ぼす影響に文化差がみられるのかを検証する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Memory for Rules and Output Monitoring in Adults with Autism Spectrum Disorder.2019

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, K., Masumoto, K.
    • 雑誌名

      Journal of Autism and Developmental Disorders

      巻: 49 ページ: 4780-4787

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s10803-019-04186-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Age-Related Differences in the International Affective Picture System (IAPS) Valence and Arousal Ratings among Japanese Individuals2019

    • 著者名/発表者名
      Ueno Daisuke、Masumoto Kouhei、Sato Shinichi、Gondo Yasuyuki
    • 雑誌名

      Experimental Aging Research

      巻: 45 ページ: 331~345

    • DOI

      DOI: 10.1080/0361073X.2019.1627493

    • 査読あり
  • [学会発表] Well-beingと未来都市学:レジリエント社会をめざしたヒューマン・ネットワークの構築2020

    • 著者名/発表者名
      増本康平
    • 学会等名
      神戸大学未来世紀都市学研究ユニット「Well-being研究拠点」
    • 招待講演
  • [学会発表] 老いの心理学の最前線:心理・行動データが示す人生の最後に重要なこと2019

    • 著者名/発表者名
      増本康平
    • 学会等名
      第1回KISC(Kobe Intangible Science Community)セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] シンポジウム:「思い出」を科学する -自伝的記憶研究の現在と未来3-2019

    • 著者名/発表者名
      増本康平
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会
  • [学会発表] シンポジウム:『今』を意味づけるもの2019

    • 著者名/発表者名
      増本康平
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会

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公開日: 2021-01-27  

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