本研究では,高齢期の意思決定に関する先端的な研究を実施しているスタンフォード大学長寿センターに滞在し,相互独立を背景とし自己決定を尊重するアメリカ人と,相互協調的な判断を重視する日本人の人生の価値の認識や価値の行動への反映を比較し,well-beingとの関連性を検討した。研究の結果,意思決定に影響する行動の価値は文化的背景によって異なり,人生の締めくくりの意思決定においても,個々人の置かれている文化や社会といった環境要因を理解し,さらに,その文化的背景によって加齢の影響も異なる可能性を念頭に意思決定支援につなげる必要がある。
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