研究課題
本研究の目的は、ライプツィヒ大学一般教授学研究室Maria Hallitzky教授との日独比較国際共同研究を実施することによって、コンピテンシー志向の授業づくりの意義と課題を明らかにすることである。2018年度には事前に打ち合わせ等を密に行った上で、2019年2月20日にライプツィヒに渡航し、共同研究に着手した。ライプツィヒ大学一般教授学研究室では、ビデオ記録に基づく授業研究および授業研究を軸とした教師教育に着手している。本研究では、ライプツィヒ大学一般教授学研究室とのコンピテンシー志向の授業づくりに関わる授業分析の共同実施や、学会発表に向けた研究交流、さらに教師教育に関わる研究交流を行っている。ライプツィヒだけではなく、ドイツ語圏内における学校へのフィールドワーク調査も継続的に実施している。ビーレフェルト近郊の小中学校では、子どものコンピテンシー獲得を明示化するための自己評価シートおよびポートフォリオを導入している学校への調査を行った。同校を含め、継続的にフィールドワークを重ねることで、一過的ではない教育実践の側面と教師教育との関係に踏み込んだ検討を行う。2018年度はライプツィヒに渡航して共同研究に着手したばかりであるが、2019年度に入ってライプツィヒ大学における教員養成および教師教育にもフィールド調査を拡大することができている。コンピテンシー志向の授業づくりのフィールドワーク、コンピテンシー志向の授業づくりのための教員養成および教師教育へのフィールド調査を継続し、研究成果の公開につとめる予定である。
2: おおむね順調に進展している
ライプツィヒ大学での共同研究の開始状況およびその推移は順調である。研究環境も整っており、Hallitzky教授および一般教授学研究室との共同研究に引き続き着手する。
今後の研究の推進については、以下の三点に重点的に取り組む。第一に、コンピテンシー志向の授業に関わるフィールドワークと授業分析である。ライプツィヒをはじめとした学校へのフィールドワークを実施するとともに、すでに入手している日独の授業記録を共同で分析する作業に着手する。第二に、コンピテンシー志向の授業づくりを支える教師教育への着手である。ライプツィヒ大学における教員養成およびザクセン州・ライプツィヒにおける教師教育の取組に関与しながら、教師教育のフィールドへの調査および教員研修の共同開発などに着手する。第三に、学会発表および論文執筆による研究成果の公開である。世界授業研究学会(WALS)をはじめとした国際学会での共同研究発表や、英語およびドイツ語による論文の執筆に着手し、論文の投稿や著書の執筆・編集に着手する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
中国四国教育学会編『教育学研究紀要』(CD-ROM版)
巻: 64 ページ: 495,500
Bullentin of the Graduate School of Education, Hiroshima University Part Ⅲ(Education and Human Science)
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http://doi.org/10.15027/46804