現在のドイツ刑法典の元となるものが形成されたとされている1871年のドイツライヒ刑法典に関して、その制定過程について研究した結果、各則の規定が段階を分けて形作られたことが明らかとなった。 さらに比較法という観点からはこのようなドイツ刑法と日本刑法の規定に関する比較だけでなく、理論的観点からの比較・議論が必要であると考え、ドイツ・エアランゲン=ニュルンベルク大学のクリスチャン・イェーガー教授を日本に招き、3つのテーマに関して日本人研究者との検討・議論を行った。これにより、ドイツ刑法学に関する最新の知見が得られるとともに、日本の刑法学において検討すべき課題もいくらか明らかにすることができた。
|