研究課題/領域番号 |
17KK0057
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 関西学院大学 (2022-2023) 近畿大学 (2017-2021) |
研究代表者 |
安達 智史 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90756826)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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キーワード | ムスリム女性 / イスラーム化 / 近代化 / エージェンシー / 性別役割意識 / ポスト世俗化 |
研究成果の概要 |
本研究は、マレーシアのムスリム女性を対象に、信仰と社会参加がどのような理路のもとで彼女たち自身の手により関係づけられているのかについて明らかにすることを目的としている。具体的には、インタビュー調査で得られたデータをもとに、ムスリム女性の「アイデンティティ(=宗教や社会との関係のなかで自己をどうとらえるのか)」と「エージェンシー(=信仰や社会への主体的な関与)」のあり方、そして実際の社会参加の現状について接近を試みる。それにより、信仰が女性の自律やシティズンシップに果たす積極的な役割や、そうした自律や主体性の実現に向けて、女性や社会が乗り越えなければならない課題について検討する。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、以下の学術的・社会的意義を有している。第一に、イスラーム化と近代化が、中産階級ムスリム女性のジェンダー意識にいかなる影響を与えているのかを明らかにしたこと。第二に、イスラーム化と近代化という二つの影響下のなかで、女性たちが自身の幸せや希望を実現するためにいかなる戦略をとっているのかについて議論したこと。第三に、多民族社会マレーシアにおける、ジェンダー/エスニシティごとの、性別役割意識の共通性や差異性について論じたこと。そして第四に、以上を通じて、イスラームと現代社会のより積極的な関係をめぐる理論枠組みを構築したこと、である。
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