文化的集団淘汰とは、人間に特有の高度な協力を、人間が進化の過程で獲得した高度で洗練された社会的学習能力によって説明する抽象的な理論体系であり、人間の進化的起源に関心を持つ研究領域において、大きな注目を集めている。また人間の協力性は戦争によって生み出されたことを立証した理論体系であると認識されることで、政治学から哲学に至る広い領域においても人々の耳目を集めている。本研究は、文化的集団淘汰というプロセスが実際に駆動しうることを検証したこと、また集団間の致死的な闘争がなくても、文化的集団淘汰が作用することを示した点において、広い領域に大きな学術的インパクトを与えるものである。
|