研究課題/領域番号 |
17KK0062
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
呉 世雄 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00708000)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 社会的企業 / 社会的経済 / 韓国の社会的経済政策 / 社会起業 / 社会的企業育成法 / 協同組合 |
研究実績の概要 |
2019年度の前半は、前年に行った韓国での事例調査及び社会的経済組織の経営実態に関する調査データの分析を行うとともに、これまでの研究成果を整理し、研究論文及び学術書籍の執筆を行った。関連する主な実績は、以下の通りである。 1)Oh Se-woong, Kim Oh-seop「An Exploratory Study on Management Efficiency of Social Enterprises and Influencing Factors」『Social Welfare Policy and Practice』5-1。2)呉世雄(2019)福祉サービスの開発・起業化とコミュニティソーシャルワーク、日本地域福祉研究所監修『コミュニティソーシャルワークの新たな展開』中央法規. 2019年度の後半は、8月~9月にかけて渡航先研究機関の釜山大学を拠点として、韓国における社会的経済の中間支援組織や社会起業家育成にかかる現地調査を行った。具体的には、釜山市にある甘川文化マウル(村)における協同組合を活かしたまちづくりに関するフィールドワークを行った。また、ソウル市のグァンジン社会的経済ネットワークをフィールドとし、連帯・協働による社会的経済組織の創設や発展プロセスに関する現地調査を行った。なお、2つの調査結果については、立命館大学産業社会学会アドバンスセミナーなどで研究報告を行った。2020年1月には、次年度以降の研究活動の準備や共同研究者との調整を行うとともに、上述の事例調査に関する関係者へのヒアリングなどの追加調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究活動を通して収集した社会的経済組織の経営実績データの分析作業が計画的に進められ、上述の通り、その成果を論文や書籍として発表することができた。また、釜山とソウルの2つの地域事例へのフィールドワークが予定通り行われ、事例分析については、学術雑誌への投稿を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度に当たり、これまでの研究成果を纏める作業を進めると同時に、次の2つに関する現地調査を行う予定である。 1)社会的経済組織のエコシステムの成り立ちや活性化要因に関する事例調査:ソウルや釜山のフィールドを対象にサービス利用者及び起業家へのヒアリングを行う。 2)社会的経済政策が起業・経営に及ぼした影響に関する実証調査:認証社会的企業及び協同組合の経営実績データを分析するとともに、経営者へのインタビューを行う。 なお、2020年5月現在、新型コロナウイルスの影響により、当分の間は韓国現地調査が難しいことが予想される。現地調査の時期や方法については、共同研究者や研究協力者と適宜協議・調整を図りながら進めることとする。
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