研究課題/領域番号 |
17KK0064
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
近藤 敏之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60323820)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 協調運動学習 / エージェント / 事象関連脱同期 |
研究実績の概要 |
本年度は,4月25日より9月16日までの約5ヶ月間,研究代表者の近藤が英国・University of Readingに滞在して国際共同研究を実施した.具体的には,協調運動学習実験のためのハプティックロボットシステムの開発,運動学習実験の実験条件の検討,予備実験までを実施した.滞在中は,共同研究者とほぼ毎日ディスカッションを行うことができ,当初計画の時点では想定していなかった問題点についても解決することができるなど国際共同研究はおおむね順調に進展した.また,予備実験の結果を解析したところ,本研究の実験仮説を裏付ける結果が示唆されたことから,現在,さらなる解析と論文執筆を並行して行っている.加えて,英国滞在中,共同研究先の博士課程学生2名(Ozge氏,Samirah氏)を交えたセミナーを毎週実施し,両名の研究内容を指導補助する機会を得た.論文作成の方針を検討するなど,今後の国際共同研究の方向性を確立することができた. 一方,英国滞在中も,日本側の研究協力者(研究室の指導学生)とはWeb会議システム(Zoom)を活用して密に連絡を取り,遠隔で指導しながら,本研究で開発するハプティックロボットとは異なるロボットマニピュランダムを用いて,協調運動学習実験の予備実験として,運動学習を力学的に支援するロボットの制御アルゴリズムの開発を行った.実験の結果,学習者の熟練度レベルを協調運動学習課題の成績で評価し,そのレベルに基づいて,ペアとなるエージェントの熟練度レベルを階段法により調節する,スキルレベル調節アルゴリズムの有効性を確認した.今後,英国側の実験結果と比較することで,協調運動学習の特性についてさらなる考察を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,4月初旬から9月中旬まで連続して約5ヶ月間に渡り英国に滞在し,協調運動学習実験のためのハプティックロボットシステムの開発,運動学習実験の実験条件の検討から予備実験まで,密にディスカッションを行うことができた.また,共同研究先の博士課程学生2名(Ozge氏,Samirah氏)を実質的に指導し,論文作成の方針を検討するなど,今後の国際共同研究の方向性を確立した.
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今後の研究の推進方策 |
ハプティックロボットを用いた協調運動学習実験の実験システムについては,日本側(東京農工大学)と英国側(University of Reading)で共通の実験システムを構築できたことから,被験者を募った実験を実施する.英国側ではすでに16名の被験者実験を終え,実験データの解析を行ったところ,仮説を裏付ける結果が示唆された.現在は,さらなる解析と論文執筆を進めている.一方,農工大側ではロボットシステムの準備が遅れたため,2020年度に被験者実験を実施する予定である.現在,新型コロナウイルス(Covid-19)の影響で被験者を用いた実験を行うことが難しいが,2019年度に,本研究で開発したハプティックロボットとは異なるロボットを用いて実施した協調運動学習実験のデータがあるため,その解析を持って研究成果をまとめる予定である.
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