研究課題/領域番号 |
17KK0066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五十嵐 祐 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (90547837)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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キーワード | 社会的ネットワーク / 学習 / 関係性イベントモデル |
研究実績の概要 |
今年度は、海外のクラウドソーシングサービスを用いて、コミュニティ参加の認知的な基盤となりうる、社会的ネットワークの学習パフォーマンスと探索行動との関連を検討する実験を実施し、社会心理学会にて発表を行った。実験参加者は、架空の組織(小集団)のネットワーク構造を探索して記憶し、妨害課題後にネットワーク構造を再生した。記憶対象のネットワークは、三者関係のトライアドなどの典型的なネットワーク構造(スキーマ)を多く含むグラフ(指数ランダムグラフ)と全く含まないグラフ(ランダムグラフ)の2種類を作成し、学習課題のパフォーマンス別に、それぞれのグラフで用いられやすい探索行動を比較した。関係性イベントモデルによる分析を行った結果、指数ランダムグラフの学習パフォーマンス高群は、学習パフォーマンス低群と比較して、スキーマに一致した探索行動(三者関係の把握)がより行われやすかった。これに対して、ランダムグラフの学習パフォーマンス高群は、学習パフォーマンス低群と比較して、スキーマに一致した探索行動をより控えやすい傾向が見られた。また、スキーマに一致しない探索行動(四者関係の把握)については、指数ランダムグラフよりもランダムグラフでより行われやすい可能性も示された。今後の課題としては、より大規模なネットワークを刺激として用いることや、学習パフォーマンスや探索行動のパターンとコミュニティ参加の指標との直接的な関連を検討することが必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オンライン実験の実装に際し、予想外に時間がかかっている。また、オーストラリアの大学でのデータ収集から、海外のクラウドソーシングサービスを利用した実験での実装に切り替えたため、設定の確認に手間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度のため、海外のクラウドソーシングサービスを用いて、ルール切り替え能力を測定する課題を実装するとともに、集団場面(ボットあるいは対人)でのルール把握実験を実施する。
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