研究課題/領域番号 |
17KK0067
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花薗 誠 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60362406)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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キーワード | 調達入札 / 質評価 / モニタリング |
研究実績の概要 |
本プロジェクトは、調達における質の評価やモニタリングの不完備性が、総合評価方式の調達オークションの競争性、経済性および質確保にどのような影響を与えるかを、基課題である基盤研究(B) 「調達の経済分析:理論と応用」で開発・整備している総合評価方式オークションの基礎理論に基づいて解明することを目的としている。また、この研究はスペインのポンペウ・ファブラ大学に所属する共同研究者とともに実施することとなっており、現地への渡航を2019年秋ごろに予定して準備を進めている。2018年度は基課題の研究期間にあたっており、本プロジェクトに関連して、研究代表者が基課題の分担者とともに、総合評価方式の調達オークションに関する基礎研究を進めた。とりわけ、一般的な総合評価ルールのもとで、入札者がどのような戦略を取ることが妥当な予測(ゲーム理論におけるベイジアンナッシュ均衡)となるかについての理解を深め、とくに多次元の私的情報を持つ供給者の競争モデルにおいて、均衡の評価値の分布の持つ性質がどのようなものかについての詳細を詰めるとともに、構造推定でパラメータの識別や推計のための基礎的な条件が満たされているかどうかについても検討し、一定の進展が得られた。 研究代表者は渡航時の共同研究に向けて海外共同研究者と研究に関する連絡を取っており、2018年3月にも基課題のプロジェクトの一環としてポンペウ・ファブラ大学を訪問し面談を行い、今後の研究の方向性について具体的に議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基課題の進展があるとともに、共同研究に向けて共同研究者との連絡や議論も進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度秋ごろから渡航するので、それまでに研究の準備を進めるとともに、研究実施計画に従って研究を遂行する。具体的には、基課題で開発したモデルを土台にし、競争的な状況における入札行動をベンチマークとして、入札参加者が談合するケースや、参加者と発注者(または発注における仲介者や)に癒着が認められるケース、また予算超過が発生する要因を考慮したケースをそれぞれ分析する。不完備性の取り込み方は、既存研究の手法を参考・応用する。2019年度はGanuza教授とともにこれらの課題の中から取り掛かる意義の深い課題、あるいは比較的取り掛かりやすい課題を見極め、研究を進展させる。
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