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2019 年度 実施状況報告書

ファクター構造を持つ動学パネルデータモデルの共分散構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 17KK0070
研究機関広島大学

研究代表者

早川 和彦  広島大学, 社会科学研究科, 教授 (00508161)

研究期間 (年度) 2018 – 2020
キーワードファクターモデル / パネルデータ / 尤度比検定
研究実績の概要

本年度は、(1)ファクターモデルの操作変数推定と(2)誤差項がファクター構造を持つ動学的パネルデータモデルの最尤推定について考察した。

(1)に関して、すでに確証的ファクターモデルの操作変数推定を考察し、査読付き雑誌に投稿していたが、レフリーから理論的結果の拡張を要求された。そこで、探索的ファクターモデルの操作変数推定を新たに考察した。その結果、確証的ファクターモデルと探索的ファクターモデルでは、ファクター間の相関の強さの影響の仕方が全く異なることが分かった。具体的には、ファクター間の相関が強い場合、確証的ファクターモデルでは、操作変数が強くなるが、探索的ファクターモデルでは、逆に弱くなることが分かった。この結果をまとめて再投稿した結果、Behaviormetrika誌に採択された。

(2)に関して、先行研究では個別効果と時間効果が加法的にモデルに含まれる動学的パネルデータモデルの最尤推定量が考察されているが、本研究ではファクターモデルのように、個別効果と時間効果が乗法的に含まれるモデルの最尤推定を考察した。このモデルにおいて、ファクター数の推定が大きな問題になるが、この問題に対して新しい逐次尤度比検定を提案した。逐次尤度比検定では、尤度比検定を逐次的に行うため、検定のサイズのコントロールが問題になる。これを解決するために、多重検定を用いたサイズのコントロールを提案した。モンテカルロ実験の結果から、提案された手法は優れたパフォーマンスを持つことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」のうち、(1)はすでに査読付き雑誌に出版されており、(2)は査読付き雑誌に投稿中であるため、研究は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で説明した「(2)誤差項がファクター構造を持つ動学的パネルデータモデルの最尤推定」について、査読の結果を待ち、報告書を受け取り次第、加筆修正を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Further Results on the Weak Instruments Problem of the System GMM Estimator in Dynamic Panel Data Models2020

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa Kazuhiko、Qi Meng
    • 雑誌名

      Oxford Bulletin of Economics and Statistics

      巻: 82 ページ: 453~481

    • DOI

      10.1111/obes.12336

  • [雑誌論文] The weak-instruments problem in factor models2020

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa Kazuhiko
    • 雑誌名

      Behaviormetrika

      巻: 47 ページ: 123~157

    • DOI

      10.1007/s41237-019-00097-1

  • [学会発表] A robust approach to heteroskedasticity, serial correlation and slope heterogeneity for large linear panel data models2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiko Hayakawa
    • 学会等名
      The 13th International Conference on Computational and Financial Econometrics (CFE 2019)
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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