研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究では、共分散構造分析を用いて動学的パネルデータモデルの新しい分析手法を提案した。考察した動学的パネルデータモデルは、先行研究で使われている多くのモデルを特殊ケースとして含む、非常に一般的なモデルであり、例えば、内生変数や誤差にファクター構造を許している。提案した手法の統計的性質を理論的に考察し、また、モンテカルロ実験でパフォーマンスを調べたところ、既存の手法よりも良い特性を持つことが分かった。
計量経済学
動学的パネルデータモデルは、経済学・政治学・社会学・心理学等、様々な分野で利用されているモデルである。したがって、同モデルの精緻化や一般化、分析手法の改善は、本研究課題が属する経済学だけではなく、様々な分野の研究に貢献することになるため、大きなインパクトを持つと期待できる。また、これを機に、パネルデータ分析という観点から、分野横断的な研究が活性化するきっかけになることも期待できる。